2018-04-10 pastiche いつか思い出を美しく飾る気持ちになったら 海に出かける 誰かが貝殻を拾った後の何もない砂浜で もう聞いた話を何度でも話して それまでは静かに 花が木々を飾るのを見ている
2018-03-25 町 春の訪れはやわらかな夜にそっと溶け込んで ついに誰もその全容を掴むことはできなかった 町はもはや語り部を必要とせず ここで待つのも所詮は甲斐ないこと 若者は物語を求めて旅に出た そして自らにもまた語り部が必要ないことを知る その時には気づくのだろうか そこにあるのは温かくも 冷たくもない光