風化する教室

 本当のことを言えば働くのなんてそんなに難しくないことは知っていて、よくわかんないことで怒られるのだって小学生の時にはもう慣れ切っていたし、自分のできることもできないこともわかっているから、全部通り過ぎて行くだけ。何も考えずに作業していれば時間だってこうして過ぎ去ってしまうし、明日の糊口を凌ぐことだってできる。少し疲れるだけ。

 僕は他人の生活を愛しているし、生活のために働いている人を見るとたまらない気持ちになってしまうのだけど、自分も生活をしているということはいつも忘れていて、今も心のどこかでそれを拒否している。それはとんだ欺瞞だし、乗り越えなければいけないことだ。家計簿アプリを導入したら、今日はあと500円で生活してね、と言われて、ふーん。と思って、煙草と牛乳を買った。

 きのこ帝国を聞いてたら自分もまだ歌を歌っていいのかな、という気持ちになった。